酒食の会[新政酒造編]~小夏のみぎり 新政の宴~
主 宰:宮下大輔、島田律子
参加酒造:新政酒造株式会社
文化のゲスト:日本橋浦上蒼穹堂 浦上満氏
東京スカイツリー展望デッキに位置するSkyRestaurant634にて開催される酒食の会「特別編」。
第二回目となる今回は、今をときめく新政酒造をお迎えしました。
新政酒造は、現在最古の清酒酵母となる「きょうかい6号酵母」を誕生させるなど、秋田流の醸造記述を完成させた屈指の名醸造。
伝統ある蔵に絶えず新風を吹き込んでいる8代目佐藤祐輔社長にもお越しいただき、トークショーも行っていただきました。
またこの日の文化のゲストは、毎回酒食の会にて大反響の日本橋浦上蒼穹堂・浦上満氏。
この日は葛飾北斎、歌川広重の作品をお持ちいただきましたが、たまたま新政酒造の創業年と同じ嘉永5年の作品をお持ちいただくという偶然も。
<新政酒造 お酒のラインナップ>
亜麻猫スパーク 純米 活性酒
No.6 X-Type 純米大吟醸[生]
陽乃鳥 貴醸酒 火入酒
やまユ 酒こまち
亜麻猫 純米 生酒
エクリュラベル 純米 火入
<本日の料理>
アミューズ 稚鮎のフリットと青りんごのシャーベット
前 菜 平目と鯵のミキュイ トマトのゼリーを添えて
魚 料 理 ホウボウのポワレと夏野菜の
ホワイトバルサミコマリネ サフランクリームソース
肉 料 理 鶉と鴨ミンチの塩麹ロースト
マッシュルームのカプチーノ仕立て
デ ザ ー ト ソーテルヌのサバイヨンムース
枇杷のコンポートとリカールミルクアイスを添えて
最高の場所で、最高の酒、料理を味わい、日本が誇る最高の文化に触れる…贅沢なひとときをお過ごしいただける会となりました。
会場・SkyRestaurant634
新政酒造 佐藤祐輔、宮下大輔、島田律子
新政 お酒のラインナップ
乾杯
会の様子
佐藤社長によるトークショー
文化のゲスト:浦上満氏
会の様子
料理長 牧村直哉
SkyRestaurant634の料理
<トークショー(一部抜粋)>
Q. 佐藤社長の目指すお酒造りとは?
A. 作っている当人としては、それほど特殊なことをやっているつもりはありません。木桶で酒造りをしたり、蔵の酒すべてを山廃や生酛など伝統的な手法を当てはめて作ったりしているのですが、案外そのようなことをしている蔵が少なかったので、結果的に私たちの酒に注目して下さるようになったのかなと思います。日本酒を楽しむ際のポイントは、味はもちろんですが、その土地でどんな人物が作っているかとか、環境に配慮した酒造りをしているかどうかとか、蔵元の世界観がどうかということも重要なポイントだと思っています。自分も、そのような酒造りの環境や文化に対する影響を考慮していくことがエクセレントな、これからの酒蔵なのではないかなと思います。そして、積極的に古い技術をどんどん取り入れながら、今の味覚や感性で、「酔い」を作り出すのが大事だと思います。
Q. ラベルも芸術センスが高く、非常に素敵ですが、どのようにお考えでしょうか。
A. 日本酒一本一本、仕込みタンクごとに味が違いますし、突き詰めていくと一点物のような尊いものです。そのため、ある一つの銘柄といっても厳密にいうと同じではありません。私たちはお酒が持っている個性と本質をできるだけラベルでも表現したいと思っているため、このような少し手の込んだラベルにしています。酒が持っている本質的なイメージを、キャラクターやマーク、色合いなど、そういう直感的なもので分かってもらえた方が現代の同世代の方々には特に受け入れられやすいのではないかなと思います。
Q. 佐藤社長は現在39歳でお若いですが、近い将来5年後はどうなっているか、どうなっていたいか?
A. 5年後には、私どもの蔵でも自分たちで米作りをしたいと思っています。秋田の農業を支えるのは、私たち酒蔵です。米作りは酒造りと同じです。地面の中生き物の力を活用していく。土地から始めると、もっとおいしいお酒ができますし、環境に貢献できる。会社としても、もっとやりがいが増すのではないかと思います。5年後は、半分くらいは自社田で作った酒米を使っていられればいいなと思いますので、是非ご協力をお願い致します。